(Japanese) Shinkaiを理解する：シンプルなアプリ内の分散型AIプラットフォーム

人工知能 (AI) は新たな流行となっています。他のトレンドとは異なり、AIは単なる一時的なブームではありません。業界は急速に進化しており、今後も社会に定着していくことでしょう。AIの発展に伴い、ほとんどの産業が変革を遂げ、個人レベルでは、AIの力を借りることで人間の能力が飛躍的に向上するはずです。

AIが私たちの日常生活をサポートしてくれれば、生活を整理したり、より賢い財務決定を下したり、大切な人とのコミュニケーションを維持したりするのに非常に役立ちます。ただし、AIがそこまで深く関わるには、私たちの生活、会話、アプリ、金融サービスなどにアクセスする必要があります。すべての情報をOpenAIのような一つの企業に預けるという選択肢もありますが、プライバシーとデータの所有権を重視する人々のために、Shinkaiはそのニーズに応えようとしているのです。さらに、Shinkaiは完全に無料でオープンソースであることも大きな魅力です。 

そもそもShinkaiとは何でしょうか？Shinkaiは、コンピューター上で動作する高度なプラットフォームです。最先端のオープンソースAIモデルをローカルで活用し、一般的な質問に答えたり、コンピューター上のほぼすべてのファイルにアクセスしたり、ウェブを閲覧したりできます。音声メモの作成、グラフィックの生成、ビデオやファイルの分析も可能。また、暗号通貨のポートフォリオ分析、医療記録の理解、最新の医学研究の探索、金融資産の管理、旅行や予定の計画、ルーティンタスクの実行などにも役立ちます。これらはShinkaiの機能のほんの一部に過ぎません。驚くべきことに、Shinkaiを使えば、データを誰にも送信せずに、ローカルAIとスクリーンを共有することもできます。このようなプラットフォームは多くの人々の役に立つはずです。そして、Mac、Windows、Linuxに2クリックでインストールできる無料アプリとして提供されるため、誰もが簡単にアクセスできるようになります。

ご存知のとおり、AIモデルは最新のデータでトレーニングされますが、トレーニングが終了すると、時代遅れになる可能性があります。また、AIモデルは一般的なトピックでは非常に正確ですが、専門的な分野やニッチなトピックでは「ハルシネーション」（幻覚）を起こすこともあります。そこで、私たちはすべてのShinkaiアプリに分散型ネットワークへのアクセスを提供しています。ユーザーは様々なチャンネルに登録することで、AIモデルを自動的にダウンロードして更新し、知識を拡張することができます。さらに、情報の信頼性を懸念するユーザーのために、ストリーマーがサブスクリプションで提供できる暗号証明（TLS Notaryに基づくzk-MPCプロトコル）も実装しています。

Shinkaiの最も興味深い側面は、エージェント機能の実現に向けた取り組みです。ユーザーは必要なツールとワークフローを使ってAIをローカルで調整し、AIにタスクを代行させることができるようになります。初期段階においては推論レベルは低いかもしれませんが、AIモデルの向上に伴い、Shinkaiのインフラがアップグレードに対応しているため、自動的に性能が向上します。また、計算証明を提供しながら、ユーザーやAIのためにタスクや特定のサブタスクを実行できる分散型エージェントネットワークの提供にも取り組んでいます。 

AIモデルが一般的なコンピューターの性能を超えられるかどうか疑問に思うかもしれませんが、状況は既に変化しつつあります。現在、AIには NVIDIAが設計する特定のタイプのチップが必要不可欠であるため、NVIDIAの価値が大幅に高まったのも驚くことではありません。しかし、競合他社や新規参入者もこの分野を非常に収益性が高いと考えています。Intel、AMDなどの企業や、Qualcommなどモバイルデバイス向けのハードウェアに注力する企業は、全てのデバイスにAI機能を搭載することを急いでいます。

私たちは、Shinkaiが一般的なアプリと同じくらいシンプルでありながら、最も強力な完全ローカルAIプラットフォームになることを目指しています。

Shinkaiネットワーク

ユーザーは、Shinkai Desktopアプリケーションを使用してローカルで起動し、その快適な操作性を体験できます。数回のクリックで、Shinkaiネットワークに接続し、あなたのAIで利用可能な最新のコンテンツを購読可能。登録手続きは不要で、起動して接続するだけで実際の使用感を確認できます。

この初期セットアップとテストが完了し、Shinkaiネットワークに本格的に参加するには、次のステップとしてオンチェーンIDの登録が必要であり、IDの登録にはShinkaiトークンのステーキングが求められます。ステーキングするトークンの量に応じて、名前を選択。つまり、名前が短いほど、それを獲得するために必要なステーキングトークンの総数が多くなります。この仕組みにより、名前の不正占拠が自然に防止され、ユーザーは最初のリリースから5年後でも、いつでも魅力的な名前を簡単に見つけられます。テストネット期間中は、これらのトークンをファネル経由で入手でき、誰もが自由に試せます。

Shinkai の ID は「@@identity_name.shinaki」（例：「@@alice.shinaki」）という標準形式に従っており、ネットワーク上の他のユーザーは名前を知るだけでポート転送されたノードを見つけられます。IDの登録によって、あなたのノード（Shinkaiデスクトップアプリケーション）は正式にShinkaiネットワークの一部となり、完全なP2P機能を活用できるようになります。ノードは一般に公開されますが、データはShinkai OSの許可システムによって完全に保護されており、あなたの同意を得た場合（または将来的に支払いなどの条件を満たした場合）にのみ、他者がデータを読み取ることができます。

ネットワーク上に登録されたノードがあれば、他のノードからAI対応コンテンツのフォルダを購読できます。さらに嬉しいのは、これがハンズオフのアプローチであり、新しい変更が加えられるたびに自動的に更新されるため、AIが常に最新のデータに基づいて動作することが保証されることです。

オンチェーンのdAppsがアクションを許可する前に、オラクルのデータが最新であることを確認しなければならないのと同じように、オフチェーンのAIシステムも、デジタルライフやオンチェーンライフにおける日々のアクションをAIに任せ始めたら、同様の保証が必要になります。Shinkaiのデザインにはユニークな特徴があります。それは、全てのAIデータ（埋め込み）がマークルツリーベースであり、複数のタイムスタンプ（作成日、最終更新日、ウェブサイトやブロックチェーンのブロック時間など、元の場所にコンテンツが投稿された日付など）もマークルツリーベースになっているということです。

ネットワークの拡大に参加

ShinkaiのIDを登録すると、ネットワーク上のコンテンツを購読できるだけでなく、AI対応の個人ファイル、PDF、お気に入りのWebページ、その他公開したいデータをアップロードして共有することもできます。ファイルをShinkai Desktopにドラッグ＆ドロップしてアップロードし、共有フォルダをクリックするだけで完了です。ノードがオンライン（およびポート転送）されている限り、友人、家族、その他の人が登録して、追加されたファイルの今後の更新を自動的に受け取ることができます。

インターネットの黎明期は、個人のウェブサイトを通じて他のユーザーと共有したいファイルをホスティングすることから始まりました。Shinkaiのp2pネットワークもこの同じモデルを踏襲しています。現在のインターネット上のユーザーのファイルやデータの多くは、AIに対応していません（かつての物理的な文書がデジタル／インターネットに対応していなかったのと同様）。それらをShinkaiノードにアップロードして共有することで、AIファーストの未来を築くための第一歩を踏み出すことになるのです。 

将来のアップデートでは、Shinkai Network上のコンテンツを支払いやその他のオンチェーン要件に基づいてゲートすることも可能になる予定です。これにより、コンテンツプロバイダーやデータプロバイダーは、AIに対応したフォーマットで作品を提供できるようになります。また、全ての更新がハンズフリーで加入者のShinkaiノードに直接同期されるため、余分な作業を必要としません。

ShinkaiにおけるAIモデルの仕組み

Shinkai Desktopアプリケーションを起動すると、ボタンをワンクリックするだけで、複数の最新オープンソースの大規模言語モデル（AI）の中から1つを選んでダウンロードし、ローカルで実行できます。コンピューターのスペックが不十分な場合は、Shinkai Hostingサービスを利用することもでき、今日から無料で使い始めることができます。 

AIが接続されたら、チャットを作成して直接質問したり、回答の参考にしてほしいファイルを添付したりできます。AIモデルはバックグラウンドで実行され、ShinkaiのAIオペレーティングシステムによって最適化されます。OSはAIを適切に誘導し、複数のフローとベクトル検索を使用して添付ファイルを理解した上で、AIが最も正確に応答するために必要な情報を提供します。

今後のアップデートでは、AIがタスクを実行できるようにする「ツール」が追加される予定です。これにより、ユーザーのAIはオンチェーンの世界とやり取りし、お気に入りのサービスに接続し、あなたに代わってソーシャルメディアに投稿することもできるようになります。将来的には、ソーシャルメディアのプロフィールを分析しておすすめの曲を見つけ出し、自動的にSpotifyのプレイリストに追加するなど、より高度な処理が可能になるでしょう。これはほんの一例ですが、Shinkaiの強固な基盤があれば、日常のデジタルライフ（オンチェーンとオフチェーン）を改善するための様々な使い方が実現できます。

Shinkai が独立したオフチェーンネットワークである理由：なぜ dApp や Rollup ではないのか？

多くのAIプロジェクトは、ブロックチェーン上で大規模言語モデル（AI）を実行することに重点を置いています。そのため、なぜShinkaiがそうではないのかという疑問が生じるかもしれません。現実的に、ブロックチェーンは多くのユースケースにとって素晴らしいテクノロジーですが、ギガバイト単位のデータの転送・保存、重いLLMモデルの実行、ユーザーデータの完全なプライバシー保持といった点では、必ずしも最適とは言えません。

データをAI互換のフォーマット（埋め込み）に変換すると、データのサイズが大幅に増加します。例えば、コンテンツが詰まった単純なPDFでも、ファイルサイズは数十メガバイトに及ぶことがあるわけです。イーサリアムのような一般的なチェーンでは、1ファイルあたり数十ドルから数百ドルのコストがかかります。今後さらに普及が進めば、この価格は維持できなくなるでしょう。 

現在のブロックチェーンは、ほとんどのスマートコントラクトが数キロバイトのメモリしか使わないのに、すでにスケーラビリティに頭を悩ませています。一方、最新の小型AIモデルでさえ数ギガバイトものメモリを必要とします。これは10万倍以上の差で、完全に分散化された大規模なブロックチェーンやロールアップでは現実的ではありません。知識証明をゼロにすれば将来的にコストは下がるかもしれませんが、それでも1回の呼び出しに最低数ドルかかってしまい、多くの用途では実用的とは言えません。

プライバシーの面でも、ブロックチェーンは全てが公開されるため、ユーザーデータやリクエストも丸見えになってしまいます。財務データや個人情報、機密情報が含まれる文書でタスクを実行するのは現実的ではありません。ゼロ知識証明を使ってもこの問題は完全には解決できず、機密情報をAIプロバイダーと証明者の両方に渡さなければならず、プライバシーが損なわれるだけでなく、処理に長い遅延も発生します。

Shinkaiでは、AIが私たちの日常生活に溶け込んでいくべきだと考えています。ユーザーは自分のマシン上でAIを動かし、完全に分散化されたP2Pネットワークを通じてAIデータ（将来的には様々なAIサービスやタスク）にアクセスできるようになる未来です。そのような未来を実現させるには、プライバシー保護のオプションが複数用意され、すべて低コストまたは無料で利用できる環境でなければならないのです。

そのため、Shinkaiはブロックチェーン上ではなく、独自のオフチェーンネットワークを採用しました。各ノードはトランザクションを通じてブロックチェーンともやり取りできるので、両者のメリットを最大限に活かせるのです。

結論

Shinkaiは、ユーザーのプライバシーを何よりも大切にする、分散型AIの未来に向けた強力な解決策です。ブロックチェーン技術をShinkaiプロトコルと今後のツールシステムにシームレスに組み込むことで、AIがオンチェーン上で存在感を発揮できるようになります。 

プライバシーにしっかりと配慮しなければ、ユーザーは自分の個人情報をAIに丸ごと預けることはできません。暗号通貨のやり取りなどもってのほかです。たった一度のハッキングで、AIとつながる全てを失うようなリスクを誰も負いたくはないでしょう。 

Shinkaiのような強力なオープンソースプロトコルの構築に力を入れてこそ、大企業に支配されるのではなく、AIが私たち全員の利益につながる未来を実現できるのです。オープンソースコミュニティはAIモデル開発で大きな進歩を遂げてきました。今こそ、Shinkaiのように、これらのモデルを活用するインフラも同じように花開く時なのです。

Useful Links:

Shinkai Webpage: https://shinkai.com
Shinkai Desktop Download: https://shinkai.com/#download
Coinlist Campaign: https://coinlist.co/shinkai-testnet
Shinkai Node Github: http://github.com/dcSpark/shinkai-node/
Shinkai Apps Github: https://github.com/dcSpark/shinkai-apps